少し前に当店でカセットデッキを修理されたお客様から、今回GX-Z5000の修理依頼をいただきました。
テープセレクターが不調で7年ほど使用していなかったということです。
トレイを開けたときに、「ガガガガー」と酷い異音を発します。カムモーターの軸受けが損傷しています。
カバーを開け、フロントパネルを取り外します。
ヘッドのコネクタを切り離すため、シスコン基板を取り外します。この機種には、基板の裏に写真のようなプレートが取り付けられています。ノイズ防止のためでしょうか?
メカを取り出して、ホルダーと化粧パネルを取り外します。
ホルダー内のスプリングが変形しています。
脱着して加熱整形を行います。
メカの様子を確認します。
ピンチローラーの取り付け部が固着して、手で持ち上げると、自動で戻ることができません。
ヘッド周りを分解し清掃&グリスアップを行います。
ピンチローラーは表面を軽く研磨し、専用クリーナーで処理します。
動きがスムーズになりました。
リール周りを分解します。
アイドラーゴムを交換し、ゴムの当たる場所はアルコールで脱脂します。
元通りに組み付けます。
メカを前方に倒して背面の基板を取り外します。
異音を発していたモーターと硬化変形したベルトを交換します。
キャプスタンのシャフトにグリスを処置します。
テープポジション検出スイッチの接点を清掃します。
VOL基板を脱着し、ガリ防止として内部に接点復活剤を微量注入します。
メカを組み込んで動作テストを行います。
315Hzのテープを再生して速度の点検を行います。1%強遅い状況です。
シスコン基板上のツマミを回して調整します。
ヘッドアジマスの調整を行います。
左右同レベルの信号を入力し、それを録音します。
録音したものを再生し、先ほどと同じ波形になるようバランス調整を行います。
複数のテープで録音再生状況を確認し、完成です。