先日、SONYのTC-K555ESGで少し珍しい故障を修理しましたので、備忘録として記事をアップします。
不具合の状況ですが、まず、テープ走行はしますが、TAPE/SOURCEに関わらず音が出ません。また、テープをセットしてもテープポジションが表示されません。
「音が出ない」故障は、まず、電源基板を点検します。
赤青のケーブルの両側にある、トランジスタの形をした「過電流保護素子 ICP-N20」の導通をチェックします。簡単に言うとヒューズです。
案の定、絶縁していましたので交換しました。これで修理完了と思いきや、症状は変わりません。テープポジションが表示されないということは、コントロール基板の故障でしょうか?色々と点検を行ったものの、故障個所が特定できず、一旦は諦めましたが、たまたまジャンクBOXにESGの再生基板があったので、それと換装すると、出力もテープポジションの不具合も正常に復旧しました。
ジャンク機の基板とそのまま換装しても良いのですが、原因を追究したいので、再生基板の点検を進めます。
ESGはオーディオ基板のELNA製電解コンデンサーに液漏れが発生します。そこで、電極間の抵抗値を測定すると、右側のコンデンサーの抵抗がプラスマイナスを変えても8Ωを示しました。ここに故障があります。
故障していたのは、そのすぐ横のコンデンサーと並列に接続されているツェナーダイオードでした。しかし、「HZ6BIL」という型式ですが、ネットで検索してもヒットしません。そこで、他の機種のサービスマニュアルで似たようなダイオードが使用されていないか探したところ、GX-Z9100のコントロール基板にそれらしきものが見つかりました。
以上、パーツを交換し、無事修理が完了しました。今回の故障は、電解コンデンサーの液漏れでダイオードがショートし、電源基板のヒューズが切れたというのが原因のようです。やはり電解コンデンサーの液漏れは早めに処置しなければダメですね。