先日に引き続き、AKAIのGX-F71の修理依頼をいただきました。
「テープにシワができる」「再生音にブツブツノイズが混じる」ということです。
オーナー様からはお話しはありませんでしたが、電源スイッチのイルミネーションが点きません。球切れです。このデッキは、この縦長のスイッチが光るのが魅力のひとつですので、修理したいと思います。
動作確認を行ったところ、ブツブツノイズは非常に耳障りな状況であることがわかりましたが、もう一つの不具合の、テープにシワが付く症状は再現できませんでした。
フロントパネルを取り外します。この青い部品がスイッチのイルミネーションランプです。プリズムの原理でスイッチを照らします。
ブツブツノイズはリールモーターの回転に伴い発生することが分かりました。
OH済みの中古モーターと交換します。型式は異なりますが、後継機のGX-93等に使用されているモーターです。
ブランクテープを再生します。ノイズはほぼ消え去りました。
続いてテープ走行の状態を点検します。再生状態にすると、左リールにはブレーキが効くようにできていますが、効きが弱い状況です。
ブレーキはこのスプリングで調整します。
ピンチローラーも劣化により硬化が進行しています。
同サイズの新品と交換します。
イルミネーションのランプです。球切れしています。
12Vのムギ球を接続して点灯状態を確認します。光量は十分です。
ランプを交換します。写真では白色に見えますが、実際は緑色です。
走行トラブルの起きやすい長尺テープをメインに走行テストを行います。
315Hzのテープを再生して速度の点検を行います。2%以上異なっていますので、聴感で気が付くレベルの狂いです。
シスコン基板の半固定抵抗を回して調整します。
ヘッドアジマスの調整を行います。
オートチューニングを行い、
左右同レベルの信号を入力し、それを録音再生モニターしてバランス調整を行います。
数種類のテープで録音再生状況を確認します。
完成しました。デザインも音質も秀逸な一台です。