私は普段、デスク上ではKENWOOD製のRD-VH7PCというCDコンポを使用しています。以前、片チャンネルの出力不良があって修理をしたときの記事は以下ご覧ください。
修理を行って現在は快調に動作していますが、新品購入後すでに20年以上経過していますので、いつ突然死してもおかしくない時期です。
このCDレシーバーは修理機器のモニター用のアンプとして使用していますので、故障すると仕事に影響が出ます。そこで、そういったときに備えて、予備機またはパーツ取り機用として、オークションで、「リモコン付きスピーカー無し送料込み1999円」という商品を入手しました。
CD再生も含め動作品ということでしたが、到着後に動作確認を行うとCDの再生が不調です。具体的な状態としては、電源ONにしてCDをセットすると、読み込みはしているようですが、ノイズしか出力されません。
前述のとおり、アンプ専用に使用しますのでCD機能は不要ですが、やはり気になります。そこで、レンズクリーナーを使用したり、CDを出し入れしているうちに、ノイズは次第に無くなり正常な状態に復帰しました。
その日はその後も正常に動作していましたので、「やっぱりピックアップレンズの汚れが原因だったか」と思って安心していたところ、翌日にはまた同じ不調な状態に戻っていました。・・・故障確定です。ネットで同様の事例を検索しましたが、残念ながら見当たりません。
時間の経過により状態が変化するということは、温度が関係している可能性があります。この機器には、背面に排気ファンが装備されていますが、負荷が掛かると結構発熱します。温度に影響を受けやすいパーツと言えば、電解コンデンサーです。また、この機器が製造された当時、耐久性の低い海外製の電解コンデンサーかなり流通しており、それが原因の故障をこれまで他の機器でも数多く経験しています。
そこで、分解を行い、CDユニットの基板を取り外し、基板上の実装型電解コンデンサーをすべて交換することにしました。肉眼では液漏れは見られませんが、これがダメなら諦めるしかありません。
ついでにローディング用のベルトも交換します。ギヤ6ケを脱着する必要があります。ベルトは折長30~32mmです。
治りました。翌日も確認しましたが、ノイズは皆無になりました。ベルト交換を行ったのでローディングも快調です。
DATデッキを修理していても感じますが、アナログ回路と違ってデジタル回路は電解コンデンサーの劣化に敏感です。アナログ回路であれば、容量が多少抜けても何事も無いように動作します。
この機種には、アンプ部分にも基板実装型の電解コンデンサーが多用されていますので、いずれ全交換が必要になるときが来るかもしれませんが、私のお気に入りの機器ですので、そのときはまた頑張って修理したいと思います。