久しぶりにGX-Z7100EXの修理依頼をいただきました。
5・6年ほど前は正常に動作していたものの、ライブラリのデジタル化のために久しぶりに電源を入れたところ故障が発覚したということです。
テープをセットして再生ボタンを押すと、テープは走行し始めますが音はでません。また、「ギューーーー」という音が鳴り続け、数秒で停止してしまいます。
カバーを開けます。ケーブルの結束バンドが取り除かれています。
コネクタを切り離し、メカを取り出します。
カセットホルダーと化粧パネルを取り外し、ホルダーを分解します。
ホルダーに内蔵されているスプリングが変形しています。
加熱整形します。
ヘッドとピンチローラーアームの動きが緩慢です。製造時に塗られたグリス硬化が原因です。
ヘッド周りを分解し、パーツの清掃&グリスアップを行います。
ピンチローラーは研磨清掃し再利用します。
組み付け後は動きが軽やかになりました。
リールとアイドラーを取り外します。
アイドラーが接触する面を脱脂します。
アイドラーゴムを交換し、組み付けます。
メカを前方に倒し、背面の基板を取り外します。
フライホイールとベルトを取り外します。
ベルトの当たり面のザラツキを除去します。
異音の原因はこのカムモーターです。
硬化変形したベルトを新品に交換します。モーターは代用品を取り付けます。
テープポジション検出スイッチです。
接点を清掃します。
キャプスタンのシャフトにグリスを塗布し、新しいベルトを掛けて組み立てます。
メカのメンテナンスが完了しました。動作は良好です。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視で点検します。右側のテープガイドがテープと干渉していましたので調整します。
315Hzのテープを用いて速度の点検を行います。シスコン基板上のトリマを回して調整します。
ヘッドアジマスの点検調整を行います。あまり狂いが無いように見えましたが、調整後は高域の出力が改善されました。
左右同レベルの信号を入力し、それを録音再生モニターしてバランス調整を行います。
複数のテープで録音再生状況を確認し、完成です。