少し前に112RmkⅡを修理されたお客様から、別の同型機のメンテナンス依頼をいただきました。
動作品ということですが、
左右バランスのほか、リールの回転の不安定さなどの不具合を抱えているということです。
カバーを開けてメカを取り出します。
業務用のデッキだけに、シンプルな構造で安定性の高いメカが搭載されています。
キャプスタンモーター、フライホイールを取り外し、
カムモーター、ギヤ類を分解します。
ギヤのシャフト部を清掃し、グリスを処置します。
ロータリーエンコーダーの接点を清掃し、スライド接点専用グリスを処置します。
リールユニットを取り外します。
アイドラーゴムを交換します。
キャプスタンのシャフトにグリスを塗布し、新しいベルトを掛けて組み立てます。
ピンチローラーやヘッド周りの清掃を行い、本体に戻します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。ピッチコントロールはOFFです。
調整します。ピッチコントロールONでに同様に調整します。
左右バランスを調整します。
ヘッドアジマスを調整します。フォワード・リバースの両方向で調整します。
ここで周波数特性のチェックを行います。フォワード、リバース共に、低域から高域までおおむねフラットです。
左右同レベルの信号を入力し、それを録音再生モニターしてRECバランス調整を行います。
テープポジションの異なるテープで録音再生状況を確認し、完了です。