今回はデッキの修理記事ではありませんのでご了承ください。
当店は、ちょうど4年前にネットショップと修理ブログを開設し現在に至っておりますが、実態はというと、店舗を持たず、メールで修理のご依頼をいただき、機器を宅配便でお送りいただくというシステムのもと、普通の住宅の一室で修理業を営んでおります。ブログに住所は記載はしていますが、看板も掲げていませんので、これまで飛び込みでお客様が来られたということは一度もありません。
かといって、まったくお客様が来ないかというとそうではなく、近郊にお住いの方が、事前にメールで日時をお約束したうえで機器を持ち込まれるというケースが年に1度あるかないかという状況です。
ここからが本題です。先週の出来事ですが、「トレイが開かなくなったナカミチのCR-70を持ち込みたいが可能か?」というメールを札幌にお住いの方からいただきましたので、土曜日の13時頃にということでお約束をしました。
約束の土曜日の12時50分頃になりました。玄関のインターホンが鳴りましたので応答をすると、「カセットデッキの修理の件で」ということでしたので、「初めまして。お待ちしておりました」と挨拶し、早速、車に積んであるデッキを確認することになりました。
お客様が「トレイが開かなくなったけど修理できますか?」とおっしゃってトランクを開けると、そこにはナカミチではなく、TEAC製のエントリークラスのオートリバース機が積んでありました。「あれ?」と思いましたが、自分の勘違いかと思い、修理費用などをご説明をしました。
結局、最終的には、予算オーバーのため再検討したいということでお帰りになりましたが、機種が違ったことが腑に落ちなかったので、すぐさま仕事部屋に戻り、お約束した際のメールの内容を再確認しました。しかし、やはりご依頼いただいたのは、ナカミチのCR-70に間違いはありませんでした。
なんとなく狐につままれたような気分でいると、その10分後頃、再度インターホンが鳴りました。ドアを開けると、先ほどとは別の方ですが、お名前を聞くと、今度はお約束をした方に間違いはありません。もちろん持参されたのはナカミチです。
偶然も奇跡も起こり得るものとは知っていますが、それにしても、4年間で初めての飛び込みのお客様と、年に1度のお客様が同じ日の同じ時間帯に来られるなんて不思議ですね。