SONYのTC-K555ESJの修理依頼をいただきました。今回は当店の「リフレッシュメニュー」にて作業を進めます。
購入後、一度SONYでメンテナンスを受けたものの、7年ほど前から再生不可となったということです。
トレイ開閉は可能ですが、ヘッドとピンチローラーが上がらずテープ走行しません。
カバーを開けてメカを取り出します。
カセットホルダーと化粧パネルを取り外します。
調整式になっている左側のピンチローラーは、元の位置を記録しておきます。
左右ピンチローラーとアイドラーを取り外しました。
これでキャプスタンモーターを切り離すことができます。
キャプスタンモーターを分解します。
基板上の電解コンデンサーを点検します。液漏れは見られませんが、
予防措置として交換します。
キャプスタンシャフトにグリスを処置し、新しいベルトを掛けて組み立てます。
メカのフロント部を分解します。
ベルトが加水分解で伸びています。
モータープーリーが汚れています。以前修理された時に拭き忘れたものと思われます。
ベルトが掛かる箇所を清掃し、新しいベルトを仮掛けします。
ロータリーエンコーダーを分解します。
汚れた接点を清掃します。
テープポジション検出スイッチの接点を清掃します。
元通りに組み立てます。
ピンチローラーの状態は良好です。S-721Hでクリーニングします。
ピンチローラーを元の位置に調整し、メカを組み立てます。
ミラーカセットを用いてテープの走行状況を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。許容範囲内に収まっています。
ヘッドアジマスの調整を行います。
左右同レベルの信号を入力し、それを録音再生モニターしながらバランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録音再生状態を確認し、完成です。