3年ほど前に当店で販売したDATデッキが故障したとのご連絡をいただきました。ノイズが発生したり、無音になったりするということです。
DTC-ZA5ESです。早速機器をお送りいただき動作確認を行います。ところが、何もなかったように音が出ました。しかし、
テープの巻き戻しを行った後、まったく無音状態となってしまいました。しばらくすると音が出るようにはなりましたが、ノイズ交じりで正常な状態には戻りません。
試しに、私が所有するZA5ESのメカ(間違わないよう「K」とマーキングしています)と換装したところ、正常に再生されましたので、メカ部の故障ということになります。
メカ部を構成する基板やRFアンプやキャプスタンモーターなども交換してみましたが、改善は見られませんでしたので、ヘッドの故障確定です。
その旨オーナー様にご連絡し、故障機からヘッドを移植することに決まりました。
少し時間が掛かりましたが、DTC-ZA5ESの姉妹機であるDTC-A8の故障機を入手しました。この両機は、ローディングユニットが異なるだけで、回路やヘッドなどは共通です。
入手したA8は、再生は可能なものの、ディスプレイが薄暗く修理不能というジャンク機です。早速ヘッドを取り出します。
ヘッドを移植します。
再生OK です。
ヘッド脱着後は測定器で点検を行います。
モード別、入出力別の録音再生状況を確認し、完成です。
DATデッキは、カセットデッキと異なり、ヘッド劣化が即再生不可となることがほとんどですので、ヘッドの確保は重要な課題です。