PIONEERの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、T-770Sの修理依頼をいただきました。本ブログ初登場ですが、基本的にはT-1000Sや1100Sと同じです。
1年ほど前から不調ということです。
トレイは何とか開閉しましたが、再生不可です。中から大きなモーター音が聞こえます。
カバーを開けました。
キャプスタンモーターのところでベルトがスリップしてモーターが高速回転しています。なぜかと思ったら、ベルトが伸びきっていました。
化粧パネル、フロントパネルを取り外し、メカを取り出しました。
メカ背面のプレートを取り外します。
ベルトが加水分解で溶けかかっています。
新しいベルトを掛けます。
続いて、トレイ開閉やヘッドの上下を駆動するこのベルトを交換します。
右奥の白いギヤにはなるべく触れないように作業を行います。ベルトを交換しました。
次はメカ前面です。
アイドラーゴムを交換するため支障となるパーツを分解します。
アイドラーを取り外し、
ゴムリングを交換します。
専用クリーナーS-721Hでピンチローラーやヘッドなどを清掃します。
この状態で動作テストを行います。OKです。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。ベルトがスリップしなくなったため、かなり速くなりました。
調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録音再生状況を確認し、完成です。