Audiolife - Enjoy your audio life!!

オーディオライフ:カセットデッキ、DATの販売・修理を行っています。故障でお困りの方はご連絡ください。

ワンポイントメモ

ピンチローラーの割れ

投稿日:

先日修理したTC-K555ESXのピンチローラーの件です。

ご覧のとおり、全周にわたり酷いひび割れが生じていました。このピンチローラーは、見た目から、おそらくSONY純正のものと思われますが、これまで、同年代、またはそれ以前のピンチローラーを数多く見てきた中でも極めて稀なケースといえます。

SONYのカセットデッキでは、キャプスタンベルトについては製造時期によって違う材質のものが使用されていて加水分解などのトラブルが起きることがありますが、ピンチローラーに限っては、私の知る限りそれは無いはずですので、今回のような劣化の原因は、使用環境によるものではないかと考えています。

では、どのような使用環境が考えられるかというと、「クリーニング液」「温度」「大気中に含まれる物質」あたりではないでしょうか。

「クリーニング液」ですが、ピンチローラーについては専用品を使用しなければなりませんが、これまでゴムに悪影響を与えるようなものが使用されてきたという可能性があります。

次に「温度」ですが、そもそも気温の高い地域で使用されていた(今回は該当します)ことや、電源をONにしている時間が長時間であること、あるいは発熱の多いアンプの上にセットされていたことなどが考えられます。

最後に「大気中に含まれる物質」ですが、例えばオゾンはゴムを劣化させますので、オゾン発生機能付きの空気清浄機を使用していた、あるいは、以前も記事にしましたが、温泉地など、通常とは異なる特殊な環境であったということも考えられます。

以上、私が思いついた可能性を記載しましたが、今回の件で1点不思議なことがあります。

それは、右側のピンチローラーには、同じような異変が見られなかったということです。材質は同じと思われますが、なぜでしょうか?これ以上は当時部品開発に携わった方、あるいは専門家でなければわからないでしょうね。

-ワンポイントメモ
-,

執筆者:

関連記事

ヘッドクリーナー S-721H

テープメディアを使用するカセットデッキはシリコンオーディオと異なり、ユーザーにより定期的なメンテナンスが必要になります。 具体的にはヘッドとピンチローラーのクリーニング(ここでは消磁の説明は割愛します …

リモコン受光ユニット交換(流用編)

昨年末に読者の方からTC-K222ESLのリモコン受光ユニット交換に関する情報提供をいただきました。 当ブログでその内容を検証しましたのでご参考としてください。 私の経験上、リモコン受光部の故障は決し …

DATデッキのブレーキ不良

DATデッキを使用していて、早送りや巻き戻し後に再生ボタンを押したときに、数秒間音が出ないということはありませんか? この症状が出たときは、左右リールに装備されているブレーキパッドの摩耗が起きています …

A&D GX-Z9100 超高速回転

久々のGX-Z9100です。 メカの修理を終えて、試運転を行っていたときのことです。メカからコントロール基板に繋がっているケーブルに触れたとたん、「ヒューン」という音が聞こえました。何が起きたのかと思 …

メタルテープとテープセレクター

今日はメタルテープとテープセレクターについてお話しします。 カセットテープの種類は、初めは「ノーマル」のみでしたが、音楽用として高音質が求められるようになって、「クロム」「フェリクロム」と新たな素材が …

検索

2021年7月
« 6月   8月 »
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

住所
066-0038
北海道千歳市信濃3丁目11-1-1
Audiolife 代表:小西隆幸
050-3717-0768(現在、電話での修理受付は行っておりません。当店へのご連絡はページ上部の「お問い合わせはこちら」をご覧ください)

営業時間
月〜金: 9:00 AM – 5:00 PM
土: 9:00 AM – 12:00 PM