少し前にTD-V931を修理されたお客様からのご依頼です。
SONYのTC-K555ESLです。3年ほど前に中古整備品として購入されたということです。
トレイ開閉はOKですが、ヘッドが上がらず再生不可です。
メカを降ろして分解を進めます。
キャプスタンモーターを切り離すためにはピンチローラーアームとアイドラーの脱着を伴います。
キャプスタンモーターを分解します。ベルトは交換済みです。
液漏れしやすい欠陥コンデンサーは交換済みです。
キャプスタンのシャフトにグリスを塗布し、組み立てます。
メカフロント部を分解します。ここのベルトも交換済みでしたが、
わずかに伸びたため動作不良となったようです。製造後30年以上経過した機器では、個体差によりベルト交換時期が早まることがあります。
ベルトの掛かるプーリーを脱脂し、硬度が高めのベルトを仮掛けします。
ローターリーエンコーダーを分解します。
汚れた接点を研磨清掃し、スライド接点専用グリスを処置します。
テープポジション検出スイッチの接点を清掃します。
メカの組み立てに入ります。
仮掛けしてあったベルトをモータープーリーに本掛けします。
キャプスタンモーターを組み付けます。
ピンチローラーを交換します。
メンテナンスの完了したメカを本体に戻して動作テストを行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状況を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。
再生ヘッドのアジマス調整を行います。
バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録音再生状況を確認し、修理完了です。