先日、オークションでGX-93を購入したという方から修理依頼のメールをいただきました。その機器の状態を詳しくお聞きすると、ベルト交換やヘッドアジマス調整等々の整備品ということで落札されたそうですが、いざ商品が届くと、再生レベルが低い、音が籠っている、テープがキチンとセットされないことがあるなどの不具合があったということです。しかも、その状況を出品者に連絡したところ、「整備したので問題は無い」ということで、けんもほろろにあしらわれたということです。
他の方が弄った機器には、思わぬ落とし穴が待っていることがありますので、今回はあまり気乗りはしませんでしたが、どんな状態か気になったので修理をお受けすることにしました。
機器が届きました。とりあえずテープ走行はしますので、整備?されたのかもしれませんが、確かにオーナー様がおっしゃるとおりの酷い状態でした。
早速、点検調整を進めます。まず、ヘッドがかなり適当に調整されています。アジマスが大幅に狂っているほか、前後に傾いています。録再バランスも狂っていますし、挙句の果てには、カムモーターの調整不足で左側のピンチローラーがキャプスタンに接していないという、シングルキャプスタン仕様となっていました。これで整備済みというのですから驚きです。
できる限りの調整を行い、オーナー様のもとにお返ししましたが、「整備済み」といっても、個人の方が趣味で適当に弄った機器が多く出回っているようですので注意が必要です。