SONYの高級機、TC-K555ESLです。
6月頃に不動になったということです。
トレイ開閉はOKですが、ヘッドが上がらず再生できません。
早速カバーを開けてメカを取り出します。
分解を進めます。
左側のピンチローラーアームは調整式になっていますので、取り外す前に元の位置を確認します。しかし、製造時の位置から大幅に前方にせり出していました。
指で引っ張ると簡単に抜けてしまいました。これでは正常にテープ走行できませんので、後ほど加工を行います。
ピンチローラーアームとアイドラーを取り外し、キャプスタンモーターを切り離します。
モーターユニットを分解します。
先ほど抜け出したシャフトです。抜け出し防止処置として傷を付け、ハンマーで元の位置にまで慎重に打ち込みます。
モーター基板上の液漏れしているコンデンサーを交換します。
キャプスタンのシャフトにグリスを塗布し、新しいベルトを掛けて組み付けます。
メカフロント部を分解します。
ベルトが劣化し伸びきっています。
ベルトの掛かるプーリーを脱脂し、新しいベルトを仮掛けします。
ロータリーエンコーダーを分解します。
汚れた接点を研磨清掃し、スライド接点専用グリスを処置します。
テープポジション検出スイッチの接点を磨きます。
元通り組み立てます。
ピンチローラーの交換を行います。
メカのメンテナンスが完了しましたので、本体に戻して動作テストを行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録音再生状況を確認し、完成です。