Technicsの3ヘッドシングルキャプスタンデッキ、RS-B85の修理依頼をいただきました。
故障後しばらくの間、放置状態だったということですが、オーナー様が当店の修理ブログをご覧になり今回のご依頼に至りました。
再生ボタンを押すと一瞬反応しますが、すぐにフリーズ状態になり、電源をOFFにしない限り操作を受け付けなくなります。
早送り巻き戻しは動作します。
カバーを開けてメカを観察します。
再生ボタンを押したときに一瞬反応するギヤを指でアシストすると、再生が始まりました。ギヤを駆動するベルトがスリップしているようです。
メカを降ろしました。
ベルトを交換するためには、基板、モーター、ギヤユニット、ソレノイドと分解していく必要があります。
硬化したベルトです。径47mmといったところです。
キャプスタンベルトの状態は良好です。
キャプスタンのシャフトにグリスを塗布します。
リールベルトを交換します。
フロント部のメンテナンスに移ります。
再生用のアイドラーです。状態は良好ですので表面を研磨清掃し再利用します。
早送り巻き戻し用アイドラーです。硬化したゴムリングを交換します。
硬化したピンチローラーを交換します。
メカのメンテナンスが完了しましたので、本体に仮接続して動作テストを行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。リールベルト交換の影響(キャプスタンモーターがリール回転も担っています)もあると思われますが、大幅な狂いです。
調整後です。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。dbxがONとOFFの時のレベルも確認します。
テープポジションの異なる数種類のテープで録音再生状況を確認し、完成しました。