昨日のDTC-A7と同じお客様のカセットデッキです。
A&DのGX-Z9100です。こちらも長期間放置状態だったということです。
電源をONにすると、「ギギギー」と比較的大きな音を立ててトレイが開きます。
カバーを開けてメカを取り出します。
カセットホルダー、化粧パネルを取り外します。
ホルダー内蔵のスプリングの状態は、変形が無く良好です。
左側のピンチローラーが固着して動きません。
半田ごてで加熱しながら慎重に取り外します。製造時に塗られたグリスが乾いて真っ白になっています。
それ以外にも、可動部に処置されたグリスが固まりかけています。
分解して清掃し、揮発性の低いシリコングリスを処置します。
動作良好になりました。
リールとアイドラーを分解します。
ゴムリングを交換します。
ゴムリングが当たる面をアルコールで脱脂します。
メカ背面の基板を取り外します。
フライホイールを取り外します。
異音を発していたカムモーターです。
モーターを交換します。
ベルトも交換します。
テープポジション検出スイッチの接点を磨きます。
キャプスタンのシャフトにグリスを塗布し、新しいベルトを掛けて組み付けます。
メカのメンテナンスが完了しましたので、本体に戻して走行テストを行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
バイアスキャリブレーションを行い、
その状態で録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録音再生状況を確認し、完成です。