SONYの業務仕様のDATデッキ、DTC-A8の修理依頼をいただきました。
「CAUTION]表示が出て再生できないということでしたが、
当店で動作確認したときは、一応再生可でしたが、おそらくベルト劣化が原因ではないかと思われます。また、ローディング時に「キキキキー」とグリスが切れたような嫌な音がしますので、いずれにしてもメカの分解整備が必要です。
カバーを開けてメカを取り出します。
この機種に多く見られる不具合ですが、ピンチローラーの留め具が抜け出しています。このままではピンチローラーが脱落してしまいますので、後ほど処置を行います。
メカを裏返して基板を取り外します。
構成ユニットを取り外していきます。
リングギヤに固着はありません。回転部分にグリスアップを行います。
硬化変形したベルトを交換します。
リールユニットです。
カバーを開けてブレーキパッドの状態を点検します。問題ありません。
カセットホルダーを切り離します。
指で摘まむとピンチローラーは簡単に抜けてしまいました。
この白色の留め具がひび割れているのが原因です。この留め具をオークションで販売されているのを見たことがありますが、結構な価格でした。しかし、同じものに交換しても同じ結果に至りますので、
極細のシリコンホースを切断し代用します。
カセットを検出するスイッチの隙間から接点復活剤を微量注入します。
ローディングベルトの状態を点検します。良好です。
メカを元通り組み立てて、本体に組み付け動作テストを行います。
ヘッドホンVOLに酷いガリが発生しています。
VOL背面の隙間から接点復活剤を微量注入します。
モード別、入出力別の録音再生状況を確認し、修理完了です。