当ブログ初登場、DENONの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、DR-M27HXの修理を行いました。
25年ぶりに電源を入れたところ、当初は動作していたものの、次第に不調となったということです。
早送り巻き戻しはOKですが、再生不可です。
早速カバーを開けます。
フライホイールを指でアシストすると、回転が始まり、再生が可能になりました。モーターの固着や内部接点の接触不良ということであれば、このまま数時間回転させることにより自然に治る可能性があります。ちょうど昼時でしたので、そのままの状態で放置することにしました。ところが、2時間ほど経って作業部屋に戻ると、モーターが停止していました。しかもモーターは直接触れないほど熱くなっていました。これは交換するしかありません。
このメカを取り出すためには、フロントパネルを取り外した後に、写真のプレートを外さなければなりません。
メカを取り出しました。一見して複雑なメカであることがわかります。モーターはリヤパネルに取り付けられていますが、サイドパネルとリヤパネルは一体になっていますのでモーター交換は容易ではありません。
背面の基板を外し、
モード切り替え用のモーターユニットを取り外します。
カセットホルダーを切り離し、
ようやくメカ本体とリヤパネルを切り離すことができました。
型番は不明ですが見たことがあるようなモーターです。電圧は12Vということは事前に測定済みですが、回転数がわかりません。
モーターは一旦回り出すと当分の間は回り続けます。そのときに、以前購入したデジタル回転計で回転数を測定します。
約2400回転/分という、標準的な規格です。
同規格のモーターと交換します。
メカを組み立てて本体に戻します。再生状況は良好です。
モーター交換後は速度調整は必須です。315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行いましたが、意外と狂いはありませんでした。
ヘッドアジマスも完璧です。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録音再生状況を確認し、修理完了です。