SONYのESカセットデッキは、ESGシリーズからESJシリーズまで、「555」「333」「222」という、3種類のグレードをラインアップしていました。
そのうち、「555」と「333」については、外観から内部まで、ほぼ同一といっていいほどの構成となっているのに対し、ESGシリーズの当時の定価は、「555」が99800円、「333」が79800円と20000円の差がありますので、コストパフォーマンスという面では、「333」に軍配が上がると思われます。
では、「555」と「333」の違いは何でしょうか?
これまでの私の認識では、「銅メッキシャシの有無」「電源に大型電解コンデンサーの採用」「キャプスタンのフライホイールの重量(厚さ)の違い」ということで、ほとんど音質には影響は無いようなものでしたが、つい先日、あることに気が付きました。
たまたま回路図を眺めていると、再生回路に使用されているトランジスタとICが、「555」と「333」では異なるものが使用されています。
これはESGシリーズに限りますが、いわゆる作為的なデチューン(性能低下)と思われます。
残念ながら私の耳ではその違いは判別できませんが、メーカーとしては、フラッグシップとそうでない機種との間に、音質面での差別化を図りたいという思いがあったのでしょうね。