ナカミチのCR-50の修理依頼をいただきました。
5年ほど前に中古購入された機器ということです。
操作ボタンのランプが全点灯しています。テープ走行が不調で、再生は不可、早送りはボタンを押した後3秒ほど経たなければ動作しません。
カバーを開けます。右側の基板は3層になっていますが、ドアのように開閉できますので整備性は良好です。
メカを取り出します。お馴染みのSANKYOメカです。
バックテンションベルトが消失しています。
溶けたベルトが絡みついています。
こちら側も同様です。いずれも洗浄を行います。
新しいベルトを掛けます。
カセットを検出するスイッチの接点を磨きます。
アイドラーを取り外し、
リールモーターを空転させて内部接点の接触改善を図ります。
カムモーターを取り外し、
リーフスイッチの接点を磨きます。リールモーターと同様、数時間ほど空転させます。
メカ背面の基板を取り外し、
キャプスタンのシャフトにグリスを処置します。
新しいベルトに交換します。
テープポジション検出スイッチです。
分解し接点を磨きます。
メカを組み立てて本体に戻します。動作OKです。
コントロール基板の電池交換を行います。容量の大きいCR2045タイプです。
続いて基板上のオレンジキャップ(フィルムコンデンサー)の交換を行います。
海外のサイトでは、写真のようにCR-50(海外の製品名は「CR-5」)専用の交換セットが販売されていますが、部品のみで10000円以上と高価なため、サービスマニュアルから部品の規格を調べて国内のパーツセンターに発注します。
電源基板、ドルビー基板、オーディオ基板など、計約30ケほどあります。
交換後です。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
再生ヘッドのアジマス調整を行います。
録音ヘッドのアジマス調整を行います。
録再バランス調整を行います。
最後に聴感テストを行い、修理完了です。