TEACの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、V-7010の修理依頼をいただきました。
10年ぶりに使用したところ、テープが絡み、カセットが取り出せない状態になったということです。
カセットは何とか取り出したということですが、
再生を開始すると、「クシャクシャ」という音がします。カセットを取り出すと、テープが痛んでいました。
カバーを開けます。
上部のパネルを取り外し、メカを取り出します。
カセットハウジング内の化粧パネルを取り外すと、バックテンション用のベルトがありません、
リールを取り外すと、溶けたベルトが巻き付いています。
付着した汚れは、オレンジクリーナーで洗浄します。アルコールやマジックリンを使用すると、回転検知用の模様が消えてしまいますので注意が必要です。
新しベルトを掛けます。
このメカのウィークポイントのメンテナンスを行います。メカ向かって右上のカムモーターユニットです。
ユニットごと脱着し、カムを取り外します。
リーフスイッチの接点を磨きます。
このモーターは出番が少ないため固着することがありますので、その対策として、直接電圧を加え数時間ほど空転させます。
アイドラーギヤを取り外します。
このリールモーターは内部接点の接触不良が起きやすいため、先ほどと同様数時間空転させ、接点の自己改善を図ります。
キャプスタンモーターです。基板とフライホイールを取り外します。
シャフトにグリスを処置し、ベルトを新品交換します。
テープポジション検出スイッチの接点を磨きます。
メカを元通り組み立てて、本体に戻します。テープ走行状況は良好になりました。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。この機種は調整できませんが、±1%以内ですので問題ありません。
ヘッドアジマスの点検を行います。大幅な狂いが見られましたので調整します。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録音再生状況を確認し、修理完了です。