先日修理した700Ⅱと同じ方からのご依頼です。
今回も700Ⅱです。部品取り機も含め3台同型機をお持ちということですが、今回は2台目のご依頼をいただきました。
動作状況ですが、何点か不具合があるということです。不安定ながら再生はできますが、
巻き戻しと早送りに関しては、一瞬リールが動くものの、ほぼNGです。
テープをセットしないときはリールは勢いよく回転しますが、リールに抵抗を加えると簡単に回転が停止しますので、クラッチまたはベルトのスリップが疑われます。
OUTPUT-VOLにガリが見られます。また、カウンターが動きません。
カバーを外して動作状況を目視で確認します。
早送りを行うと、黒いプーリーに掛かっているベルトがスリップします。
ゴムが劣化し、かなり緩くなっていました。
新しいベルトに交換します。
これでテープ走行は良好になりました。
続いてカウンターのベルトを交換します。
リールから2本のベルトを介してカウンターを動かしています。2本とも交換します。これでカウンターは動くようになりましたが、
カウンターの数字プリントが、劣化してところどころ剥がれています。これは修理のしようが無いか・・・と思っていましたが、せっかくカウンターが動くようになったのに、この状態のままでは諦めきれません。
早速、部品取り用機器をストックしている倉庫にアナログカウンターを探しに行きます。
すると、これは全くの偶然ですが、リセットボタンの位置や大きさが「Aurex PC-X66AD」のカウンターと非常に似ているということに気が付きました。早速取り出して、比べてみます。
ゴムベルトが掛かるプーリーに少し加工が必要でしたが、取付穴の位置やリセットボタンの位置・大きさもボルトオンです。おそらく、当時同じ部品メーカーで製作していたのでしょうね。
メンテナンスを続けます。キャプスタンに付着した磁性体を除去します。ピンチローラーは専用クリーナーS-721Hで処理します。
機器の内部からOUTPUT-VOL背面の隙間に接点復活剤を注入します。
テストテープを再生し、メーターのバランス調整を行います。
ピッチコントロールがセンターの位置でテープ速度の点検を行います。
調整を行います。
ヘッドアジマスを点検します。
調整します。
録音ヘッドのアジマスは、テストトーンをONで録音再生モニターし、赤いランプが両方とも点灯するよう調整します。
左右同レベルの信号を入力し、
録音再生モニターし、バランス調整を行います。
録音状況を確認し、
修理完了です。それにしても他の追随を許さない存在感です。