KENWOODのKX-5010の修理依頼をいただきました。
2ヘッド、シングルキャプスタンというオーソドックスな構成のデッキです。
カセットをセットして操作ボタンを押すと、ディスプレイに表示は出ますが、メカはピクリともしません。
カバーを開けました。キャプスタンモーターは回転しています。
内部からプラスチックの破片が転がり出てきました。
一瞬焦りましたが、カバーを固定するビスを支える箇所が補修されていましたので、その破片と思われます。
メカを取り出しました。
メカの背面です。右下のモーターユニットを取り外します。
右写真中央のビスを緩めなければなりませんので、
支障となるパーツを分解していきます。
これでようやく緩めることができます。
カムモーターユニットを取り外します。
カムを取り外してリーフスイッチの接点を磨きます。
モーター単体の状態で、直接電圧を加えて数時間空転させ、内部接点の接触状態の改善を図ります。
アイドラーギヤを取り外し、
リールモーターも先ほどと同様に空転させます。
半日経過しましたので、一旦メカを組み立てて本体に仮接続し、動作テストを行います。
キャプスタンモーター基板を取り外してフライホイールを抜き出し、シャフトにグリスを処置します。
テープポジション検出スイッチの接点を磨きます。
ピンチローラーは専用クリーナーで清掃します。
ヘッドに錆が出ていますので、ザラツキが無くなるまで磨きます。
バックテンションベルトを交換します。
カセットを検出するスイッチの接点を磨きます。
整備済みメカを本体に組み付けて動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。
調整後です。
ヘッドアジマスの調整を行います。
ATCSを動作させます。20秒ほどするとスタンバイ状態になりますので、
バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録音再生状況を確認し、修理完了です。