数年前に当店から整備済みDATデッキをご購入された方から、最近不具合が発生するというご連絡をいただきました。テープをセットすると「CAUTION」表示になるということです。
早速デッキをお送りいただきましたが、作業部屋に移動したときに、内部から「カラン」という音が聞こえました。この瞬間に、故障の原因が予想できました。
カバーを開けると、予想通り、ピンチローラーが内部に転がっていました。原因は、ピンチローラーを固定する樹脂製留め具が劣化したことです。また、写真のとおり、ゴムが劣化して表面がツルツルになっていて再利用は難しい状況です。
メカを降ろし、カセットホルダーを取り外します。
ゴムを張り替えたピンチローラーと交換します。
留め具は、シリコンチューブを切断したもので代用します。これで今回のような劣化によるトラブルは回避できます。
交換後です。
メカを本体に戻して動作確認しましたが、ローディング不良が起きています。
再度メカを降ろします。ゴムベルトが硬化変形してスリップ気味ですので交換します。
動作良好になりました。以上修理完了です。