以前からお取引いただいているお客様から、新たなご依頼です。
PIONEERのCT-9です。私も中学生時代に憧れていた高級カセットデッキの一台で、10年ほど前にオークションで故障品を入手、整備して現在も使用しています。
再生は弱々しいながら、とりあえず可能です。
ただし、早送りと巻き戻しはNGです。
クロムポジション表示が点灯しません。ランプ切れでしょうか?
カバーを開けました。
クロム表示ランプです。電圧は23Vが印加されていましたのでランプ切れ確定です。
切れたランプを取り出し、
形状は異なりますが、代替品のランプを取り付けます。
いい感じです。
オーナー様から、ピンチローラー交換のリクエストをいただいています。
ピンチローラーアームを脱着するためフロントパネルを取り外します。
ピンチローラーアームを取り外しましたが、シャフトが固着していて、交換は非常に難しい状況でしたので、
表面を研磨し、専用クリーナーで処理しました。
メカを取り出しました。
リールモーターユニット、キャプスタンモーターユニットの順に取り外します。組み付けるときはレバー類の組み合わせに注意が必要です。
これで劣化パーツにアクセスすることができます。
早送り巻き戻し用のアイドラーです。
脱着してゴムリングを交換します。
再生用のアイドラーもゴムリングを交換します。
カウンターベルト(1)を交換します。ベルトテンションが強いと巻き戻し時などに負荷が掛かりますので、サイズの選択には注意が必要です。
キャプスタンのシャフトにグリスを塗布します。最後に企業秘密の処置を行い、元通り組み立てます。
動作は良好です。
遅くなりましたが、カウンターベルト(2)を交換します。
リールトルクを確認します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
ヘッドアジマス調整を行います。
左右同レベルの信号を入力し、メーターレベルを点検します。
VOL類のガリが見られましたので、底板を取り外し、接点復活剤を処置します。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる数種類のテープで録音再生状況を確認し、修理完了です。