A&DのGX-Z9100の修理依頼をいただきました。
半年前までは動作していたということですが、不動になったとのことです。
ヘッドホン端子が破損しています。
電源をONにすると、「ギー」というモーター音が数秒間鳴りますが、動きはありません。
カバーを開けます。
カムモーターに使用されていたバンコードベルトが切れていました。融着不良が原因です。
まずは破損したヘッドホンジャックです。
スペアパーツと交換します。
メカを取り出して分解を進めます。
カセットホルダーも分解します。
ホルダー内蔵のスプリングが変形していますので、脱着して
加熱整形します。
ピンチローラーが固着しています。
ヘッド周りを分解し、固着の原因となった古いグリスを除去し、新たにグリスアップします。
硬化したピンチローラーを交換します。
リールとアイドラーを取り外し、
ゴムリングを交換します。
ゴムリングが接する面を脱脂します。
メカ背面の基板を取り外します。
フライホイールに付着したゴムカスを清掃します。
異音を発していたモーターです。
代替品と交換します。
テープポジション検出スイッチの接点を磨きます。
キャプスタンのシャフトにグリスを処置し、新しいベルトを掛けて組み立てます。
整備したメカを本体に戻して動作確認を行います。
ミラーカセットを用いてテープの走行状態を目視点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
バイアス調整を行い、
録再バランス調整を行います。
聴感で録再状況を確認し、修理完了です。