TEACのV-610の修理依頼をいただきました。
ベルトスリップによりメカの動作が不安定でトレイが開かなくなったということです。8年ほど前にも同様の故障が発生し、その時はTEACの修理センターで修理されたということです。
当店での動作確認時には不具合は見られませんでしたが、温度や湿度が関係していると思われます。
カバーを開けてメカを取り出します。
背面のプレートを取り外します。
キャプスタンベルトとモードベルトの2本を交換します。いずれも角ベルトです。
しかし、動作テストを行った結果、聴感でわかるほどのワウフラッターが発生しました。原因は、キャプスタンベルトに角ベルトが使用されていることです。
通常、キャプスタンベルトには、ベルトのねじりによる回転ムラを回避するため、平ベルトが用いられることがほとんどです。しかし、この機種のように、角ベルトを使用する場合、ベルトの断面の均一性が求められますが、現在流通している角ベルトは、そういった用途を想定していないため、製造精度の関係から今回のような結果に至ったものと考えられます。
以上の理由から、オーナー様にご了解をいただき、最終的にはキャプスタンベルトは専用クリーナーで清掃し再利用することとしました。
ピンチローラーも専用クリーナーで処理します。
動作確認を行います。
テープ速度の調整を行い、今回の修理はこれで完了です。