昨年当店で修理したTC-K777ですが、リール先端が楕円軌道で回転するということで、再度お預かりすることになりました。また、テープにシワが付くということがあるということです。
確かにリール先端がガクガクします。
メカを降ろしてリールユニットを取り出します。
リール先端は、単なるハメコミ式です。その部分が少し緩くなっていたようです。通常、ここを分解するようなことはありませんが、後々取り外しが可能なように弾性のある接着剤で固定しました。
一旦組み立てて、点検を行います。トルクメーターで巻き取りトルクとバックテンションを測定すると、巻き取りトルクは正常でしたが、バックテンションがほぼゼロなっています。
バックテンションは、写真中央の黒い円柱の中心の白いネジを回して調整しますが、いくら回してもゼロのまま変わりません。
再度メカを分解します。先ほどの黒い円柱は、左リールのちょうど真裏になります。黒色の円盤と白色の円盤が組み合わさっています。
(修理後の写真です)黒色の円盤の裏側には金属板が貼られていて、白色側には磁石が付いています。その間隔を白いネジで調整することにより、磁力が変化しバックテンションも変化するという仕組みです。
その金属板が剥がれていましたので、強力な接着剤で貼り合わせます。
快調です。念のため、オーナー様がお持ちになっている、このデッキで損傷を受けたテープをお送りいただき、そのテープでのテストを行ったうえで修理完了と判断します。