以前からお取引いただいている方から、新たに2台の修理依頼をいただきました。
1台目はSONYのTC-K555ESXです。1年ほど前に中古動作品として購入した機器ということですが、何点か不具合が発生しています。
1点目はこのメカのウィークポイント、トレイが急激に開く「ロケットオープン」です。それ以外としては。「再生が途中停止する」「音がこもることがある」というものです。
早速メカを取り出しました。
カセットホルダーと化粧パネルを切り離します。
ロケットオープンの原因となった劣化したダンパーゴムを交換します。
化粧パネル裏側のプリズムを清掃します。
硬化したピンチローラーを交換します。
左右リールを分解し、古いグリスを除去し、新たにグリスアップします。
メカ背面のモーター基板を取り外します。
汚れたベルトを交換します。
このレバーの支点部が固着しやすいので、注油を行います。
メカを本体に戻して再生を開始しましたが、やはり途中停止します。その時の状態が右写真です。リールモーターが故障しています。
基板を取り外します。過去に何かの処置が行われたようです。
AKAIのGX機と同じRF-510Tというモーターです。手持ちのスペア品と交換します。
モーターの回転が低速になるテープ後半部で繰り返し動作確認を行います。
ミラーカセットを用いてテープパス点検を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。許容範囲内です。
再生ヘッドのアジマス調整を行います。
録音ヘッドのアジマス調整を行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる複数のテープで録再状況を確認し、修理完了です。