SONYのDATデッキ、DTC-A8の修理依頼をいただきました。
5・6年前は正常に稼働していたものの、久しぶりに使用したところ、テープを読み込まない状態になっていたとのことです。
動作確認時は、テープは読み込みましたが、酷いノイズが混じります。
カバーを開けて直接メカを目視点検します。
左側の可動式テープガイドが、正規の位置の手前で止まっています。そのためノイズが発生したものと思われます。
メカを降ろしました。
ピンチローラーを固定している留め具が浮き上がっていて、簡単に外れてしまいました。原因は、樹脂製の留め具が経年劣化で割れたためですので、後ほど必要な処置を行います。
メカを裏返して基板を取り外します。
構成ユニットを分解していきます。
グリスが硬化し固着が見られます。
古いグリスを除去し、グリスアップしました。スムーズに動くようになりました。
リールユニットを分解し、ブレーキパッドの状態に問題が無いことを確認します。
硬化し変形したベルトを交換し、メカを元通り組み立てます。
カセットホルダーを取り外し、ピンチローラーを取り付けます。留め具は細いシリコンチューブで代用します。
メカを本体に戻して動作テストを行います。ノイズは無くなりました。
RECVOLツマミにグラつきが見られます。
固定部に緩みが見られましたので増し締めします。
RECVOLとヘッドホンVOLにガリが見られますので、内部から接点復活剤を処置します。
録音再生状況を確認し、修理完了です。