これまで何度かお取引いただいている方から、PIONEERの2ヘッドカセットデッキ、CT-415の修理依頼をいただきました。
動作不可ということです。
電源を入れると、モーター音は聞こえますが、再生ボタンを押してもキャプスタンやリールが回転しません。
ただし、ヘッドとピンチローラーは上下します。
カバーを開け、フロントパネルを取り外します。
メカのケーブルの接続は、コネクタではなく直接基板に繋がっていますので、窮屈な形での作業となります。
ベルトが溶けています。モータープーリーの形から、キャプスタンベルトとリールベルトの2本です。
モーターの取り付けられているプレートを取り外します。フライホイールが現れましたが、上部のソレノイドユニットが邪魔です。
ソレノイドユニットは調整式になっていますので、取り外す前に位置を記録しておきます。
ソレノイドを取り外し、
こびり付いたベルトカスを除去します。
中身が空になりました。中央部のプーリーにリールベルトを掛ける必要があります。
キャプスタンベルトは径65mm、リールベルトは径37mmです。
カウンターベルトは折長105mmです。
ピンチローラーは交換不可ですが、弾力がありますので研磨清掃し再利用します。
再生可能になりましたが、巻き取りトルクが弱々しい状況です。
アイドラーゴムは特殊なサイズですので、特注し交換します。
トルクが十分に状態になりました。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
315Hzの信号をINPUTに入力し、それを録音再生しバランス調整を行います。
聴感でのテストを行い、修理完了です。