市内の方から3台ご依頼いただいたうちの2台目です。
A&Dのオートリバースカセットデッキ、GX-R65CXです。今回はこの機種は2台、修理依頼をいただきました。もう一台の同型機のキャプスタンモーターが不調のため、部品取り用として入手されたものの、この機体もモーターが故障していたため当店の出番となりました。
電源を入れてもキャプスタンが回転しません。また、写真では見えにくいかもしれませんが、ヘッドに茶色の磁性体と思われる汚れが付着しています。
フロントパネルを取り外してメカを取り出します。
モーターを取り外します。右側のキャプスタンモーターの軸が固着していました。指で回すと固着は解消されましたが、再発の可能性があるため交換します。
電圧と回転数が同一の代替モーターと交換します。
点検を進めます。リール周りを分解し、アイドラーにアクセスします。中心部から下方向にひび割れが生じています。
アイドラーは、クラッチ機構により振り子運動を行いますが、このままではクラッチの摩擦力の低減により動作不良に至りますので、分解し接着補修します。
接点を清掃します。
ピンチローラーを研磨清掃します。
カセットホルダー内蔵のスプリングにヘタリが見られます。
加熱して整形します。
メカを組み立てて動作テストを行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。リバース機ですので往復分行います。
録再バランス調整を行います。
聴感での録再状況を確認し、修理完了です。