本ブログ初登場のVictor製3ヘッドカセットデッキ、KD-V6の修理依頼をいただきました。
再生ができないとのことです。
早送り巻き戻しは快調ですが、再生ではリールのトルクがほとんど無く、すぐに停止します。
カバーを開けます。
底板も取り外し、
メカを取り出します。後継モデルのTDシリーズのメカの原型といった感じです。
このメカの再生時は、キャプスタンに取り付けられたローラー(写真中央)に、黒色のアイドラーが接することにより右側のリールが回転します。
メカ背面のプレートを取り外し、キャプスタンフライホイールを取り外します。右写真中央のアイボリー色の小さなパーツがローラーです。
ローラーはキャプスタンにはめ込み式となっていますが、劣化により割れが生じたため、緩みが発生し、回転不良の原因となったようです。
同じパーツは入手できませんので、近似サイズのシリコンチューブで代用します。「決して割れない」「スリップしにくい」というメリットがあります。
取り付けた状態です。
ゴムパーツを清掃します。
メカを本体に戻して動作テストを行います。快調です。ただし、この時点では音が籠り気味です。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
再生ヘッドのアジマスの調整を行います。
録音ヘッドのアジマス調整を行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる複数のテープで録再テストを行います。
ヘッドアジマス調整により音の籠りも解消されました。以上、修理完了です。