久しぶりに仕事中のBGM用としてDATで録音を行いました。
使用機器は先日整備したばかりのDTC-ZE700です。なるべく長時間連続で再生したいので、180分テープのLONGモードでの録音です。これで6時間連続での再生が可能です。
録音を終えてインデックスにタイトルを記入しようとしたところ、カセットのケースから紙切れが1枚出てきました。
そこには、「このテープは薄手テープです。薄手テープに対応していないデッキでご使用になると残量時間やテープカウンターが誤って表示されること等があります。」と記されていました。
薄手テープに対応しているデッキの機種については、普段あまり意識することがありませんでしたので、この機会に調べることにしました。
調査の方法ですが、販売台数が多いSONYとPIONEERの機器を対象に、取説で薄手テープ対応の可否を確認することにします。ただし、180分テープは、DATデッキが発売されて間もなくは存在しませんでしたので、比較的新しいデッキを対象にします。
まずは、1995年発売のSONYのDTC-ZA5ESです。
対応していないので使用不可ということです。続いて、翌年の1996年発売の最終モデルのDTC-ZE700です。
先ほどとはかなり表現が変わったことがわかります。使用はできますが、トラブルが起きやすいのでなるべく使わないでくださいということです。しかし、最後の「音質が悪くなってしまう。」というのはピンときません。
続いてPIONEERです。上記DTC-ZE700と同じ1996年発売のD-HS5です。
SONYのDTC-ZA5ESに近い表現となっていますが、対応していないものの、使用しないでくださいとは書いてありません。ただし、使用してトラブルが起きても責任は持てませんということです。
以上が2社の最終型、あるいはそれに近いモデルの調査結果です。
薄手のテープの問題点は、カセットテープ(120分以上の製品)と同様、回転部分に巻き込みやすいこと、あるいはテープの撚れが起きやすいため走行が不安定になる可能性が高いということです。
当時のテープメーカーには、180分という長尺のテープの開発により売り上げ増を図りたいという思惑があり、その一方、デッキメーカーとしては、テープによるトラブルの責任回避という観点から、なるべく使用して欲しくないという思いがあったと推測されます。
ここで一点、疑問が浮かびました。「テープメーカーでありデッキメーカーであったSONYは180分テープを販売していたのか?」ということです。
結論としてはSONYも180分テープの販売を行っていました。これは自己矛盾ではないかと思いますが、ユーザーにはわからない大人の事情があったのでしょうね。
以上、今回のような簡単な調査では薄手テープ対応デッキを見つけることはできませんでしたが、そもそも薄手テープ対応デッキってあったのでしょうか?