AKAIのGXC-709Dの修理依頼をいただきました。
オーナー様が学生時代に購入したデッキということです。再生は可能とのことですが、不具合等に関するご依頼は5点ほどあります。
1点目は、メーターのランプ切れです。
2点目は、巻き戻しのトルク不足です。指で摘まむと内部でスリップしていることがわかります。
3点目はヘッドホンジャックの内部破損です。
4点目はOUTPUT-VOLのガリ解消です。
5点目はテープ速度をはじめとする各種調整です。
カバーを開けるとベルトが内部に入っていました。2013年と書いたメモがありましたので、前回交換時の予備または交換後のベルトと思われます。
フロントパネルを取り外します。
底板も取り外します。ヘッドホンジャックのケースが割れていました。
プラグを挿すときに結構な力が加わりますので、強力な接着剤と結束バンドを用いて固定します。
元に戻します。状況は良好です。
続いてメーターランプ交換です。なるべく配線はそのままで作業します。
メーターユニットを分解し、ランプを交換します。電圧はAC7Vです。
左CH用は、現状では点灯していますが、そのうち切れると思われますので交換を行います。
交換後の状況は良好です。やはりアナログメーターは雰囲気ありますね。当店では、ランプ交換については、やむを得ない場合はLEDを用いることもありますが、この色合いは電球ならではです。
VOLのガリは、背面の隙間に接点復活剤を注入し解消します。
巻き戻し不良を修理します。目視点検の結果、左リールを回転させるためのベルトがスリップしていることがわかりました。
リールも脱着し、念のためゴムリングを研磨清掃します。
ベルト交換を行います。最初は機器内部にあった内径45mmほどのベルトを試しましたが、スリップしましたので、手持ちの内径40mmを取り付けました。
リールベルトのテンションが少し強く、リールの回転の抵抗になっていますので交換を行います。
表面が劣化しているピンチローラーを脱着し、研磨清掃します。
機器が十分温まった状態で、テープ速度の調整を行います。315Hzの信号が記録されているテープを再生しています。
ヘッドアジマスの調整を行います。サービスマニュアルに調整方法の誤記載があり、少し手間取りました。
315Hzの信号を録音し、それを再生しながらバランス調整を行います。
以上修理完了です。