これまで何度かお取引いただいている近郊のお客様からのご依頼です。
今回は非常に珍しい機種です。KENWOODのKX-990SRです。機種名から想像できませんが、オートリバースデッキです。
内部でモーターが高速回転する音が聞こえますが再生不可です。
早送り巻き戻しは可です。
RECバランスツマミの接着が剥がれていますので再接着します。
カバーを開けます。ベルトが溶けています。
メカを取り出しました。
背面のプレートを取り外します。
モータープーリーが溶けたベルトで汚れていますので、アルコールやオレンジクリーナーで拭き取ります。
カムモーターユニットを取り外します。
ロータリーエンコーダーの接点を清掃し、スライド接点専用グリスを塗布します。
メカ内部の接点も清掃します。
元通りに組み立てて、仮接続し動作テストを行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
ヘッドアジマス（FWD）調整を行います。
REV側です。
VOL劣化のため、バランスツマミがこの位置でセンターです。交換や調整による改善はできません。。
録再バランス調整を行います。
聴感での録音状況を確認し、本来はこれで修理完了ですが、リバース動作確認のため、長時間運転を行っていたところ、突然速度が不安定になりました。遅くなったり速くなったりという感じです。
キャプスタンモーターがかなり熱を持っています。モーター内部の速度調整回路の故障でしょうか。
再度メカを降ろしてモーター交換を進めます。
金属製のプーリーの取り外しは、プーラーを用いなければなりません。
代替モーターと交換します。2400rpm12Vです。再度速度調整を行い、
長時間のテストを行います。
修理完了です。
