以前当店をご利用になった方から、新たな機器の修理依頼をいただきました。
Victorの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、TD-V707です。数か月ぶりに使用したところ、テープが絡まって不動になったということです。
内部から周期的な異音が聞こえます。キャプスタンモーターの関係と思われます。
右側のピンチローラーにテープが絡まっています。
空のテープをセットし再生や早送りをしましたが、リールが回転しません。
カバーを開けます。銅メッキされたシールドカバーも取り外します。
この機種のメカの脱着は、TDシリーズの中でも容易な方です。
背面のモーター基板を取り外します。
基板上に電解コンデンサーが2ケありますが、
端子が曇っていますので液漏れしていることがわかります。また、半田付け部が腐食していたため、触っただけで外れてしまいました。これが原因でモーターの回転に不具合が起きて、異音が発生したと考えられます。
リード型のコンデンサーと交換します。
劣化が見られるキャプスタンベルトを交換します。
リールモーターを取り外します。
このメカの定番のギヤ欠けが見られますので、代替品と交換します。
ヘッドの上下やトレイ開閉を担っているモーターのピニオンギヤも交換します。
メカを元に戻して動作確認を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。許容範囲内に収まっています。
再生ヘッドのアジマスの調整を行います。
録音ヘッドのアジマス調整を行います。
聴感での録再状況を確認し、修理完了です。