ナカミチのCR-40の修理依頼をいただきました。
再生中に途中停止してしまうということです。
再生を開始すると、しばらくしてオートストップが働きました。
カセットを取り出すと、写真のような状態です。これは、リールモーターが故障したときに起こります。
底板に修理歴を表すステッカーが貼られています。これまで4回、すべてナカミチで修理したようです。しかし、お客様からいただいた情報では、直近では2015年にも同じ症状で修理されたということですが、そのときは、モーターの修理はしなかったようです。
カバーを開けます。ケーブルをタイラップではなく紐で結束しているところから職人の頑固さを感じます。
メカを降ろします。
このメカのリールモーター交換は面倒です。キャプスタンモーターの台座まで取り外さなければモーターユニットのビスを緩めることができません。
ようやくユニットを取り出しました。新品は入手できませんので、OH済みのモーターと交換を行います。
新しいベルトに交換します。
カムモーターユニットを取り外します。
このメカのウィークポイントのひとつ、カムモーターユニットのリーフスイッチです。接触不良の起きやすいスイッチの接点を磨きます。
モーターを空転させて内部接点の接触改善をはかします。
本体と仮接続して長めの動作テストを行います。モーターの回転がより低速になるテープ終盤を重点的にテストします。
不具合は再発しなくなりましたので、調整に移ります。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
再生ヘッドのアジマスの調整を行います。
録音ヘッドのアジマス調整を行います。
テープポジション別に録再バランス調整を行い、
聴感でのテストを経て修理完了です。