本ブログ初登場のカセットデッキです。
TEACのオートリバースカセットデッキ、R-606Xです。
電源投入直後の再生が早送りになったり、テープ速度が不安定になったりということです。
動作確認時、最初は操作を受け付けませんでした。何度かトライするとようやく動きましたが、勝手に停止するなど不安定です。
カバーを開けてメカの動作を確認します。キャプスタンの回転を利用してリバースやヘッドの上下を行うシステムですが、見る限り固着は無いようです。
メカを取り出しました。シンプルなメカです。
スイッチの接点を磨きます。
メカの上部の検出スイッチの接点も同様に磨きます。右から2番目がカセットがセットされたことを検出するスイッチですが、走行が勝手に停止する不具合は、ここの接触不良により起きていました。
メカ背面を分解します。
ソレノイドのONOFFにより、フライホイールのギヤが内部のギヤに噛み合ってメカが動きます。電源投入直後の動作不良の原因は、
ベルトがスリップしていたと考えられるので、交換を行います。
ピンチローラーとヘッドを専用クリーナーS-721Hで清掃します。
メカを元通り組み付けて、動作テストを行います。動作良好にはなりましたが、長時間再生していると、オーナー様のお話しどおり、速度が遅くなったり速くなったりします。
最近、同様の故障が多くなりましたが、原因はキャプスタンモーターの故障です。モーター内部の速度制御回路の部品が劣化し、温度等の影響を受けやすくなっているものと思われます。
再度メカを降ろします。
EG-500KD-2Bという型番で、12V・1600-3200RPMという珍しい規格です。12Vでの回転数を測定したところ、約1700RPMでした。
カセットデッキに一般的に使用されているモーターの規格は、12V・2400RPMです。これが代用できないか検討しましたが、12Vの電圧では、速度調整しても1900RPMまでが限界でした。
そこで、ネットで検索すると、幸いにも新品のモーターが見つかりましたので、発注することにしました。
(つづく)