昨日のTC-K710Sと同じお客様からのご依頼です。
SONYのTC-KA3ESです。不具合が起きてから5年以上使用していないとのことです。
トレイ開閉はしますが、それ以外はモーターの微かな音が聞こえるのみです。
カバーを開けてメカを取り出します。
メカの動作を切り替えるためのモードベルトが無くなっています。
分解を進めます。
ピンチローラーのコアが抜けています。
ピンチローラーアームとアイドラーを取り外します。
ピンチローラーを分解します。
コアの充填剤が抜けていますので、スカスカです。
同サイズの代替品に交換しました。
キャプスタンモーターユニットを切り離します。
メカフロント部を分解します。
プーリーを脱脂し、新しいベルトを仮掛けします。
組み立て後にモータープーリーにベルトを掛け直します。
基板上に液状の汚れが付着していました。おそらく溶けたベルトです。
メカを本体に戻して動作確認を行います。
ミラーカセットを用いてテープパスの点検を行います。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。
ヘッドアジマスを調整します。
録再バランス調整を行います。
ここで新たな問題が発覚しました。ノーマルテープでは問題無いものの、クロムとメタルのバイアスキャリブレーションが適正値に調整できません。回路の故障またはヘッドの性能低下が疑われます。
スペアのメカの在庫がありますので、本体に接続し、テストを行います。すると、正常にキャリブレーションできましたので、ヘッドの性能低下が不具合の原因です。オーナー様にヘッド交換に要する費用がプラスされる旨をお伝えしたところ、ノーマルテープで正常であれば問題無いということで、
今回はこれで修理完了です。