TEACの3ヘッドカセットデッキ、C-3Xの修理依頼をいただきました。
少し前に中古動作品として購入されたということですが、突然、音が出なくなったということです。
再生を開始してもメーターも振れません。ただし、モニター出力をSOURCEに切り替えると、INPUTに接続したCDPの音が微かに聞こえます。
いずれにしても、両チャンネル共音が出ないというのは、電源ラインの故障が疑われます。
カバーを開けます。
電源基板の点検を行います。
回路図を見ると、23V、13V、3Vがメイン基板に供給されていますが、テスターで測定すると3Vラインの電圧が低い状況であることがわかりました。そこで、トランジスタをひとつずつ取り外して点検を行いましたが、異状はありませんでした。
回路図とにらめっこしながら、疑わしい箇所を点検しましたが、簡単には故障箇所は見つかりません。かなり時間を要しましたが、あることに気が付きました。
通常、電源を入れると、1・2秒ほどミュートが掛かって、LINEOUTから出力は出ませんが、INPUTに接続したCDプレイヤーの音が、微かな音量ですが電源ONで即時に出力されます。ということはミュート回路の故障でしょうか?
試しにメイン基板上のミュートライン(赤色の配線)を切り離します。
音が出ました。早速ミュート回路の点検を行います。
ひとつずつパーツの点検を行います。ようやく見つけました。電解コンデンサーが絶縁状態で故障していましたので交換を行います。3Vラインの電圧低下もこれが原因でした。
先ほど切り離したミュートラインを元に戻し、再生を開始します。無事治りました。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。スタンダードスピードです。
ハイスピードす。
ヘッドアジマスを調整します。
録再バランス調整を行います。この機種は、テープポジション別にバイアスとレベル調整を行います。
聴感での録再状況を確認し、修理完了です。