SONYの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、TC-K777ESⅡの修理依頼をいただきました。
3年ほど前から異音がしだして、その後動作不良になったということです。
操作ボタンに反応はありますが、テープ走行不可です。
早速カバーを開けます。
フロントパネルを取り外し、メカを取り出します。
メカを背面から分解します。
リールユニットを取り出しました。
中央に写っているのは、再生用のアイドラーです。ゴムングはシリコン製のものに交換されています。
リールユニットを分解すると、早送り巻き戻し用のアイドラーが現れます。
レバーの支点部が固着しているためアイドラーが動きません。
慎重に分解します。グリスが乾いていますので、清掃後にグリスアップします。
アイドラーゴムを交換します。
ここの支点部も固着していますので分解して再グリスします。
アイドラーゴムを交換します。
組み立てて、スムーズに動くことを確認します。
キャプスタベルトを交換し組み立てます。
メカを本体に戻して動作確認を行います。
ハウジングランプが切れています。
LED化します。
本体左側面にモーター基板がありますが、S601というスイッチが黒ずんでいるのがわかります。
これまで、このスイッチの接触不良によりモーターの回転が不安定になった機体を数多く見てきました。予防策として、基板を脱着してスイッチを交換します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の点検を行います。
巻き取りトルクとバックテンションを測定します。巻き取りトルクが少し弱かったので、規定値に調整しようとしたところ、なぜか調整が効きません。
リールベルトがスリップしたことが原因でしたので、交換後に調整を行いました。
再生ヘッドのアジマスの調整を行います。
録音ヘッドのアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。
テープポジションの異なる複数のテープで録再状況を確認し、修理完了です。