先日修理したC-3Xですが、「テープ終盤で酷いワウフラッターが発生する。」というご連絡をいただきました。
前回修理では電源部の修理を行いましたが、メカ部分には手を入れていませんので修理ミスということは考えられません。
早速機器をお送りいただきました。テープを再生すると、最初は異状はみられませんでしたが、テープの終盤になると、オーナー様のお話しどおり音の揺れが発生しました。
これはメカを再生時に上から覗いたところです。右写真は、修理後になりますが、中央部にゴムリング2ケが取り付けられたアイドラーが見えます。これは再生時はもちろん左側リールには接することはなく、右側リールを回すようにできています。
そして、そのすぐ左側に白色のパーツが見えますが、これは、左側リールと直結していて、巻き戻し時に先ほどのアイドラーが接触することにより左リールが回転します。ところが、メカを観察すると、再生時は本来接触すべきでない左側のリールとアイドラーがギリギリ接触しているのがわかりました。要するに、常に左側リールに逆方向回転の力が加わっているという状況ということです。
なぜかというと、ゴムリングが標準のものよりも少し大き目のものが取り付けられていたからです。取り外して確認すると、状態から、比較的最近交換されたものであることがわかりました。
このデッキは、オーナー様が少し前に中古動作品として購入された機器ということですので、おそらく、前所有者が売却前にゴムリングを交換したものと思われます。
他の方が修理された機器には、普段以上に注意が必要です。