2年ほど前に当店からカセットデッキ2台を購入されたお客様から、最近入手したという機器の修理依頼をいただきました。
A&DのGX-Z9100です。フルメンテ品ということでオークションで購入したそうですが、消去不良、バイアスキャリブレーション不良、入力不良、音の籠りなどの不具合があり、出品者に何度か修理してもらったものの、一向に改善されず、最終的に当店にご依頼がありました。
まずは消去不良の修理です。メカを取り出します。
サプライ側のピンチローラーアームの調整不良が疑われますので、位置を測定します。予想通り、適切な調整が行われていませんでした。
調整し、テープパスを点検します。
消去不良は改善されました。
テストテープを走らせると、左右レベルバランスに大きな狂いが見られました。ヘッドが前後に傾いていますので調整を行います。
ヘッドアジマスを調整します。
LINE-INの入力が途切れます。写真の位置あたりを触ると顕著です。原因は、CD-DIRECT切替スイッチの端子部の半田クラックでしたので再半田を行います。
バイアスキャリブレーション後にバランス調整を行います。
聴感によるテストを行い、修理完了です。カセットデッキの修理は、調整が命です。