これまで多くのお取引を頂いている方の愛機を修理します。
ナカミチのZX-9です。少し前に、「サプライ側のピンチローラーのところでテープがたるむ」ということで、メールでご相談をいただき、何度かやり取りをしながらオーナー様に内部の状況を確認いただいた結果、キャプスタンベルトの伸びが原因であることがわかりましたので、機器をお送りいただきました。
カバーを開けます。ベルトの状況を覗くと、伸びのため蛇行していました。テープがたるんだ原因は、伸びたベルトが脱線しかけたからです。
フロントパネルを取り外します。メカ背面にDDモーター基板が搭載されていることや、余裕のスペースがあまりないことなどから、支障となる基板を少し動かさなければメカを取り出すことができません。
メカを取り出しました。ナカミチのサイレントメカです。
背面から分解していきます。DDモーターの制御基板、モーター基板を取り外すとキャプスタンフライホイールが現れます。
ベルトは加水分解が進行しフニャフニャです。今回はアイドラーゴムとモードベルトも交換します。
さらに分解を進めます。
アイドラーを取り外し、硬化しているゴムリングを交換します。
新しいベルトを掛けます。径73mmです。
モードベルトも新品交換です。
メカを元に戻して動作確認を行います。
再生ヘッドのアジマス調整を行います。この機種は、録音ヘッドのアジマスはフロントパネル上でインジケーターを見ながら調整できますのでここでは行いません。
バイアスキャリブレーションを行った後にバランス調整を行います。
テープポジションの異なる複数のテープで録再状況を確認し、修理完了です。