先日走行不良の修理を行ったZX-7ですが、「メタルテープ使用時にノイズが発生する」「RCHの録音レベルが低い」というご連絡をいただきました。
修理後の点検で、テープポジション別の録再確認を行った際には特に問題は見られませんでしたので、長期不使用機器が修理後に通電されて急激にパーツが劣化したということも考えられますが、見落しとや勘違いという可能性もありますので、着払いでお送りいただきました。
再生は問題ありませんが、
バイアスキャリブレーションではRCHに異状が見られます。また、そのまま録音すると、ノイズが混入しています。
EQ70の状態で不具合が起こりますが、EQ120に切り替えると正常です。ナカミチでノイズ混入というと、第一に思い浮かぶのは、オレンジキャパシタ問題です。
底板を取り外して、メイン基板にアクセスするためにドルビー基板を手前に倒します。
メイン基板上の録音ヘッド直前のオレンジキャパシタ(フィルムコンデンサー)を交換します。これでおおむね改善が見られましたが、電源投入直後に大きなノイズが発生します。
ナカミチのデッキでは、このオレンジ色のフィルムコンデンサー劣化によるトラブルは数多く報告されていますので、この際、すべて交換を行います。
左写真はドルビー基板、右はメイン基板です。粒ガムの形をしたオレンジ色のコンデンサーが全部で30ケほどあります。
ナカミチのデッキは比較的整備性は良好ですが、パーツ交換に支障となるスイッチ基板の脱着などが必要となります。
すべて交換しました。ナカミチの場合、実機と回路図が異なることは当たり前ですので、現物と同じ容量のものに交換します。
不具合は解消されました。以上修理完了です。