ナカミチの700Ⅱです。
30分ほど再生すると、ヘッドが降りてキャプスタンも回転しなくなるということです。ただし、時間を置くと正常に戻るということでしたので、熱の影響を受けやすい電源基板の半田クラック、または電解コンデンサー不良が疑われます。しかし、今回は意外なことが原因でした。
当店での動作確認時には不動状態でした。
カバーを取り外します。電源基板からは、17Vと12Vが出力されますが、テスターを当てると12Vラインが死んでいることがわかりました。半田クラックは見られませんが、まずは再半田します。しかし状況は変わりません。
12Vラインの電解コンデンサーを交換します。残念ながら状況に変化はありません。
しかし、時々自然に正常な状態に復旧します。ということは、接触不良が原因ということになりますが、場所がわかりません。
正常な状態の時は、トランジスタの放熱板が相当熱くなっていますが、動作不良のときは発熱しません。トランジスタの故障でしょうか?そうであれば、勝手に復旧することは通常あり得ませんが、ほかに理由が見当たりませんので交換を試みます。
4日ほど待ちましたが、ようやく部品が到着しました。3本の端子のうち、なぜか真ん中が異常に短く切断されています。おそらく特定の機種専用に用意されたものなのでしょうね。
この放熱板に取り付けられたトランジスタ2ケを交換します。
このトランジスタは、真ん中の端子と放熱板に接する背面の金属部分が導通しています。一方、放熱板は、筐体とビスで固定されアースラインに繋がりますので、取り付け時はショート防止のため絶縁シートを挟むのを忘れてはいけません。
正常に動作するようになりましたが、接触不良の修理については1日ほど様子を見なければなりません。
不具合は再発しなくなりました。今回の結果から導かれる故障の原因は、トランジスタ内部での接触不良ということになります。色々なことがあるものですね。
動作テスト中に新たな不具合が見つかりました。再生中に突然オートストップが働き停止することがあります。センサーへのベルトが緩んでいましたので交換します。
念のため2日ほど様子を見て修理完了と判断します。古い機器は今後メンテナンスが一層難しくなりますので、お持ちの方は心の準備が必要かもしれません。