AKAIの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、GX-F71の修理を行います。
近郊にお住いの方からお譲りいただきました。
電源を入れて、イジェクトOKです。
再生はピンチローラーが上がり切りません。モーターの苦しい音が聞こえますので、モードベルトスリップと思われます。
早送り巻き戻しは、超低速でリールが不規則に回転します。アイドラーゴムのスリップが原因です。
カバーを開けます。フライホイールは回転していますが、
本来停止していなければならないカムモーターが、ベルトスリップのため回転し続けています。
フロントパネルを取り外します。
ピンチローラーの上下動が緩慢です。製造時に処置されたグリス硬化が原因と思われます。
メカのケーブルは、背面のコントロール基板に直付けです。そのため、写真のような状態で整備を行います。
カセットホルダーと化粧パネルを取り外すと、バックテンション用のパッドが脱落していることがわかりました。
硬化したピンチローラーを交換します。
ヘッド周りを分解し、グリスアップします。
リールとアイドラーを取り外します。ゴムリングを交換し、リングが接する面を脱脂します。
パッドを貼り直します。
メカ背面の基板を取り外し、分解を進めます。
カムモーターのベルトを交換します。
テープポジション検出スイッチの接点を磨きます。
メカを本体に戻して動作確認を行います。
ミラーカセットを用いてテープパスを点検します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
オートチューニングを作動させ、
その後録再バランス調整を行います。
聴感でのテストを経て、修理完了です。