ナカミチの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、581の修理依頼をいただきました。
最近になって再生ができなくなったということです。
イジェクトボタンを押してもトレイが開きませんので、手動で開けてテープをセットします。
早送りや巻き戻しは可ですが、ゴトゴトという動作音から、アイドラーゴムが硬化していることがわかります。再生は、ヘッドが上がり切らずにテープ走行しません。
カバーとフロントパネルを取り外します。
トレイの左側にプラスチック片が挟まっていました。これが原因でトレイ開閉に難があったようですが、どこの部品でしょうか?
フロントパネルの裏側を点検します。
何らかの拍子に破損したようですので接着します。
これでとりあえずは開閉するようになりました。
メカを降ろします。
このメカは3層構造になっています。
キャプスタンモーターが取り付けられている一層目のプレート、
リールユニットが取り付けられている2層目のプレートの順に分解します。
左右リールを分解し、グリスアップします。
ゴムリングはカチカチになっています。ナカミチはこの状態でもリールが回転するのが不思議です。新品に交換します。
カセット検出スイッチの接点を磨きます。
オートシャットオフ用ベルトが伸びていますので交換します。
新しいキャプスタンベルトを掛けて組み立てます。
モードベルトを交換します。
動作確認を行いますが、音が籠っています。
アジマスが大幅に狂っていましたので調整します。
315Hzの信号が記録されたテープを再生し速度の調整を行います。
録音ヘッドのアジマス調整を行います。
テープポジション別にバランス調整を行います。
実質のバランスセンターは写真の位置です。回路構成パーツの劣化が原因ですが調整はできません。
録再状況を聴感で確認し、修理完了です。