PIONEERの3ヘッドデュアルキャプスタンカセットデッキ、T-1000Sの修理依頼をいただきました。
長期間使用されていなかった機器ということです。「電源を入れると異音がする。」「カセット蓋が上手くしまらない。」「再生できない。」といった不具合を抱えています。
電源をONにすると、「ギー」というけたたましい音が鳴ります。おそらくキャプスタンモーターの軸受けのオイル切れが原因です。
カバーを開けます。キャプスタンベルトが溶け切れてモーターが高速回転しています。モーターの軸受けに注油すると異音は無くなりました。
フロントパネルを取り外してメカを取り出します。
カムモーターユニットを取り外し、ベルトを交換します。
プレートを取り外します。溶けたキャプスタンベルトが張り付いています。
綺麗に清掃し、新しいベルトを掛けます。
リール周りを分解し、アイドラーゴムを交換します。
一旦メカを組み付けて動作確認を行います。テープ走行可能になりましたが、再生速度が早回し状態です。
モーターの内部回路の故障です。同規格の新品モーターと交換します。
再生速度の調整を行います。
ヘッドアジマスの調整を行います。
録再バランス調整を行います。
AUTOBLEを動作させてテープポジション別の録再状況を確認し、修理完了です。